「そう。ならすぐに婚約しても問題なさそうね。安心したわ」
「婚約・・・ですか?」
その仮説は先程崩れたはずだ。
なぜ夫人の口から『婚約』という単語が出てきたのか分からなくて思わず聞き返してしまった。
「あら、理人から聞いていないの?」
「私がサプライズにしたいので秘密にしていたんです」
「そうだったのね」
山吹が執事服ではなくスーツを着る理由、わたしのことを『椿さん』と呼んだ理由、篠原夫人が『理人』と呼ぶ理由、出てきた『婚約』という単語、そして以前篠原夫妻と山吹が仲良さそうに話していた場面。
それらから導き出される答えは、山吹が篠原家の人間になったこと。
そして婚約とはわたしと山吹のものを指す。
それに気づいた瞬間鳥肌がたった。
山吹は一体いつからこれを計画していたのだろう。
とても一朝一夕で出来ることではない。
「2人の仲も確かなようですし、このまま婚約ということでよろしいかな?」
「まだ、椿は未成年です。ですからもう少し・・・」
篠原家の御当主様の確認に父は歯切れが悪そうに返す。
きっと山吹を手放したくないからだと思う。
「婚約・・・ですか?」
その仮説は先程崩れたはずだ。
なぜ夫人の口から『婚約』という単語が出てきたのか分からなくて思わず聞き返してしまった。
「あら、理人から聞いていないの?」
「私がサプライズにしたいので秘密にしていたんです」
「そうだったのね」
山吹が執事服ではなくスーツを着る理由、わたしのことを『椿さん』と呼んだ理由、篠原夫人が『理人』と呼ぶ理由、出てきた『婚約』という単語、そして以前篠原夫妻と山吹が仲良さそうに話していた場面。
それらから導き出される答えは、山吹が篠原家の人間になったこと。
そして婚約とはわたしと山吹のものを指す。
それに気づいた瞬間鳥肌がたった。
山吹は一体いつからこれを計画していたのだろう。
とても一朝一夕で出来ることではない。
「2人の仲も確かなようですし、このまま婚約ということでよろしいかな?」
「まだ、椿は未成年です。ですからもう少し・・・」
篠原家の御当主様の確認に父は歯切れが悪そうに返す。
きっと山吹を手放したくないからだと思う。



