ふたりぼっちの孤城

それどころか頭を優しく撫でてくださった。

これではどちらが歳上なのか分からない。


「わたしが貴方を捨てるわけがないでしょう」


その言葉でどれだけ救われただろうか。

結局のところ、どう足掻こうが私は彼女には敵わないのだ。

私が思っているよりもずっと彼女は強かった。

傷つくと分かっていながらも、私の過去を知り、受け止めようとしてくださる。

私は彼女のことを女性として意識していながらも、どこか幼子のように思っていたのかもしれない。


「それで、見つかったの?」


私に自分より大切な存在ができたのかと聞く彼女の手は、震えていた。

それを守るように包み込むと震えは少しマシになった。


「・・・わたしと手を繋ぐのも、嫌だったの?」


彼女はまだ気づいていないのだろう。

彼女が私に向けるものと同じものを私が浮かべていることに。


「まさか。貴方となら何をしても嫌じゃありませんよ」


真心を込めてそう伝えると、私の想いに気づいたのか、彼女は目を緩めた。