ふたりぼっちの孤城

山吹が遠く感じて違う意味で泣きそうになった。


「その中で私は貴方にお仕えしたいと思いました。私は貴方と共に在りたいです。私のためを思うならどうか、1番お傍に居させてください」


山吹は涙声になりながらそう言った。

ずっと張り付いていた緊張の糸が解けていく。

もう独りじゃないって思えた。

ひとしきり泣きた後、持っていたテストを見せた。


「こ、これ」


どれも基準点に満たない。

40点に達しないといけないのにわたしは30点台しか取れていない。

それでも山吹は呆れることなく頭を撫でてくれた。


「よく1人でここまで頑張りましたね。私がいればもう大丈夫ですよ。凄いです」


また安心して涙がこぼれた。

山吹はわたしが泣き止むまで頭を撫で続けた。

その後山吹に問題を解きながら、気づいたときには眠っていた。

起きたとき、山吹はベッドにもたれかかって寝ていた。

その頭を撫でたのは内緒だ。