眠った彼女の頭を撫でて堪能する。

肩にかかった重さすら愛おしい。

彼女に仕えてから4日間も離れるのは初めてだったのでやはり寂しかったらしく、今日はずっとお傍に置いてくださった。

彼女は私が休めていないのではないかと心配してくださったが、私にとっては彼女といる時間そのものが癒しなので、寧ろ1人で寝ている方が堪える。

彼女の匂いで肺を満たした後、ソファーにあるクッションを手繰り寄せ彼女の枕代わりにした。

離れたくなかったが仕方ない。

夕食の準備は勿論のこと、4日間で起こった問題を解決するために動かなければならない。

彼女に布を掛け、静かに退出した。

歩きながら彼女が話した4日間のことについて振り返る。

全員が揃いも揃って私の神経を逆撫でした。

彼女の専属になりたいと不躾にぬかした藤。
その藤を押し付けようとした麻生。
その2人を彼女に会わせた姉。
そして彼女に関係を誤解されるようなことを言った柊。

柊は私によって都合のいい情報提供者の1人でしかなかった。

何回か会話を重ねる内に好意を寄せられるようになったことには気づいていたが、知らないフリをして利用した。

柊の情報管理能力はザルだ。すぐに手の内を明かしてくれる。