「なんで採寸までこのメンツなの……」

隣で里帆のため息が聞こえる。


「えー緊張しなくていいからよくね?」
「あたしは出会いを求めてるの!」


いつもと変わらない寺田くんの態度に噛みつくように返す里帆。


「あはは」


それを見て笑いながら、でも確かにいつも通りで安心するからこのメンバーで良かったかもと思ってしまった。

里帆に知られたら私まで怒られそうだけど。



今日は応援団の人たちの採寸の日。


里帆の前には寺田くんが。
そして私の前には藤がいる。


というのも、誰が誰を担当するかの話になったときに、同じクラス同士でやった方がやりやすいんじゃないかということでこうなったのだ。


まぁ里帆は少しご不満みたいだけど。



「てか寺田はちゃんとやっていけてるの?」
「おう! 正直吐きそうなくらいキツいけどな!」
「ほんとに〜?」
「まじだって! な、怜也?」
「まぁ、そうだな。祐介なりに頑張ってるんじゃないか?」
「へぇ〜、早く見たいなぁ」


たまに練習してる姿を見かけたことはあるけど、まじまじと観察したことはないから。