「……そうだったんですか。大変だったね、蓮くん」
「いえ」
「何か私にできることがあったら遠慮なく言ってね」
「ありがとうございます」
「ありがとう、鈴香」
紫月さんが頭を下げる。
「いえ、そんな。気にしないでください」
鈴香さんは笑って首を振った。
「蓮くん、ヨーグルト好き?」
俺を見ながら、鈴香さんは首を傾げる。
「好きです」
「本当? プレーンといちごとブルーベリーがあるんだけど、どれがいい?」
鈴香さんが手に持っている鞄の中身を俺に見せる。
鞄にはアイコスのヨーグルトが三種類と、スマフォと財布が入っていた。
「いちごがいいです」
鈴香さんが鞄からいちごのヨーグルトを出して、俺に手渡す。俺は小さな声で礼を言った。
「店長はどれにしますか?」
「俺はブルーベリー。鈴香のど乾いたろ、俺飲み物持ってくるけど、何がいい? ココアかコーヒーか紅茶」
「ココアでお願いします」
鈴香さんは鞄をテーブルのそばに置くと、そこからヨーグルトを出してテーブルの上に置いた。
ヨーグルトにココアって、合うのか?
「蓮はさっきと同じのでいいか?」
「はい。俺も手伝いますよ、その足じゃ紫月さん運ぶの大変でしょうし」
「え? 店長足怪我してるんですか? それでさっきから足引きずってたんですか!」
鈴香さんの声が部屋に響き渡る。
「声がでかい。そんな大した怪我じゃねぇから」
「いやあれは大した怪我です」
傷口が五センチくらい広がっていたし。
「蓮くん、店長の傷、足のどこ?」
「右足のすねです」
俺がそう言うと、鈴香さんは店長のズボンの右足の方を勢いよくめくった。



