紫月さんに渡す絵のことを考えてみる。
どんな絵にしよう。紫月さんの絵じゃダメだよな、紫月さんは自分のことが嫌いみたいだから。自分の絵は鏡がないと描けないから難しいよな。英輔や大地さんの絵では、元気にならなそう。そしたら、弟さんの絵を描くのが妥当かなあ。……弟さんの絵か。
紫月さんの弟さんの姿を想像してみる。ダメだ。病衣を着ている弟さんしか浮かんでこない。
病衣を着ている弟さんの絵を描いて渡すのはダメだ。そんなことをしたら、きっと紫月さんは余計元気をなくしてしまう。でも俺の弟さんのイメージって、それくらいなんだよな。俺は病院でしか弟さんを見たことがないから。
目を開けて、頭を抱える。
どうしよう。これじゃあ弟さんの絵で紫月さんを元気にするのなんて、夢のまた夢じゃないか?
「山吹、どうした?」
教卓のそばにいた矢野先生が、俺に近づいてくる。
「絵のアイディアが浮かんでこなくて」
「それならグラウンド行って、外の空気でも吸ってきたらどうだ?」
「え、そんなさぼりみたいなことしていいんですか?」
「ああ。ずっと考えても浮かんでこないなら、息抜きをして、気分を切り替えてからまた考えるのも一つの方法だからな」
そういうことか。
確かにそれも、ありなのかもしれない。
「ありがとうございます、俺、グラウンド行ってきます」
「ああ。まあ、あんまり長くはいないようにな」
「はい」
そう言うと、俺はスケッチブックとシャーペンを持って、美術室の出入り口まで歩いた。
俺は鞄の中にあったペンを持って、目を閉じた。キャンバスの方を向いて深呼吸をする。震えがなくなった。よかった。これならきっと、絵が描ける。
紫月さんに渡す絵のことを考えてみる。
どんな絵にしよう。紫月さんの絵じゃダメだよな、紫月さんは自分のことが嫌いみたいだから。自分の絵は鏡がないと描けないから難しいよな。英輔や大地さんの絵では、元気にならなそうだよな。そしたら、弟さんの絵を描くのが妥当かなあ。……弟さんの絵か。
紫月さんの弟さんの姿を想像してみる。ダメだ。病衣を着ている弟さんしか浮かんでこない。
病衣を着ている弟さんの絵を描いて渡すのはダメだ。そんなことをしたら、きっと紫月さんは余計元気をなくしてしまう。でも俺の弟さんのイメージって、それくらいなんだよな。俺は病院でしか弟さんを見たことがないから。
目を開けて、頭を抱える。
どうしよう。これじゃあ弟さんの絵で紫月さんを元気にするのなんて、夢のまた夢じゃないか?
「山吹、どうした?」
教卓のそばにいた矢野先生が、俺に近づいてくる。
「絵のアイディアが浮かんでこなくて」
「それならグラウンド行って、外の空気でも吸ってきたらどうだ?」
「え、そんなさぼりみたいなことしていいんですか?」
「ああ。ずっと考えても浮かんでこないなら、息抜きをして、気分を切り替えてからまた考えるのも一つの方法だからな」
そういうことか。
確かにそれも、ありなのかもしれない。
「ありがとうございます、俺、グラウンド行ってきます」
「ああ。まあ、あんまり長くはいないようにな」
「はい」
そう言うと、俺はスケッチブックとシャーペンを持って、美術室の出入り口まで歩いた。



