僕を、弟にしないで。僕はお義父さんの義息子になりたい


「作り笑いだったのか?」
「うん」
「え、俺だけならまだしも、なんで蓮夜にまでそんな顔を」
「多分俺に、心配をかけたくなかったから。俺はただでさえ姉のことがあって大変だから、自分が落ち込んでいるのを俺に悟らせたくなかったんじゃないかな」

「それにしたって作り笑いはダメだろ!」
「うん。だから昨日言ったよ、もう作り笑いはやめてって」
 英輔があからさまに顔を顰める。

「はあ? もしかして義勇さん、蓮夜がそれを言うまで、ずっと作り笑いをしていたのか? ダメダメじゃねぇか! ろくな親じゃない」

「別に俺は、お義父さんがちゃんとした親であって欲しいなんて思ってないから」

 それどころかむしろ俺は、紫月さんが大地さんのようにしっかりした親だったら、紫月さんに裏があるのではないかと思っていただろう。

「それにしたってなあ、親がこんなに子供に心配をかけるのは、俺はどうかと思うぞ」
 腕を組んで、英輔は俺を見つめた。

「しょうがないよ、最愛の人が亡くなっちゃったんだから」

「あのなあ、蓮夜はこのままじゃ嫌だったから、俺に相談したんだろ? それなのにしょうがないよって言うのか? それじゃあまるで、このままで良いって言っているみたいだぞ?」

 額に手を当てて、呆れるように英輔は言った。

「だ、だって、嫌だから。お義父さんが悪く言われるの」

 つい、本音が漏れた。

「あはは。すげぇ好きなんだな、義勇さんのこと」
 俺の頭を撫でて、英輔は笑った。