僕を、弟にしないで。僕はお義父さんの義息子になりたい


 翌日のお昼頃、俺は英輔と一緒に、食堂でご飯を食べることになった。

「英輔、縄性のサッカーボールのネットってあるか?」

 白米を箸で摘んでから、俺は言った。俺の前にあるテーブルの上には、お弁当が置かれていた。今朝、紫月さんに作り方を教わって、二人で作ったものだ。俺が料理に不慣れな上に、指が折れてしまっているから卵焼きは焦げているし、野菜の切り方にも全く一貫性がないけれど、味はあまり悪くない。

「あるよ。俺の家のやつ縄性だけど、見る?」

「うん。見たい」

 俺がそういうと、英輔はすぐに牛丼のそばにあったスマフォを手に取った。英輔はそのまま十秒ほどスマフォを操作してから、俺に見せた。スマフォには、ネットに包まれているサッカーボールの写真が表示されていた。ネットはどうやら、タンスにかけられたS字フックのところにあるようだ。写真を拡大してみると、フックにかかっているところが縄性なことに気づいた。ビンゴだ。

「ありがとう、英輔。助かった」

 そう言って、俺はスマフォを返した。

「ああ。ネットがどうかしたのか?」
 英輔になら、話しても大丈夫か。

「お義父さんの弟が、犯罪者かもしれなくて。一週間くらい前にその証拠らしきものが、お義父さんの家で見つかったんだ」

「え、マジか。それが、縄だったってことか?」

「うん。お義父さんがサッカー部だったから、もしかしてそれが、ボールネットだったんじゃないかと思って」