数日後最悪な出来事の立て続きから、クラスではもう部活の子とずっと一緒にいるようになった。
 ある日、それは掃除前のことだった。昼休みが終わって、掃除のために体育館に移動していた。はぁー、今日も嫌いな人たちに囲まれなきゃいけないのかと思った。まぁ、それでも昼休みとかは、ずっと瑠花と一緒にいた。大好きなアイドルの話で盛り上がってた。
「昨日の番組見た?めちゃくちゃ面白かったよね!」
「ていうか、新曲出してなかった?」
まぁ、うちらの声は、大体大きいからうるさいし、周りの人にも良く聞こえる。そのせいなのかな?“ばいばいー”って手を振りながら、体育館前で瑠花と別れた。そして、マップを取りに体育館の倉庫に入る。そこには、雨種がいた。
「なぁ、1つだけ聞いてもいい?」
何個も積み上げられた、少し汚いマットの上に座っていた。
「ん?何?」
「あのさぁ…もしかしてだけど、お前“嵐ファン”?」
やっぱ、デカい声で話してるとわかっちゃうんだな。
「うん、そうだけど…何?」
ていうか、なんでこんな話になってんの?うちら喧嘩してたよね?
「実はさぁ…俺も“嵐”好きなんだよね。奇遇だね。」
ん?ちょっと待って?どういうこと?
「え?ガチで?」
整理が追いつかない。
「うん。」
今まで、嫌いだったあの男の子…口も悪くて性格も悪いあいつが…雨種が…うちと一緒で“嵐”が好きってこと?え?
「え、マジかぁ…。」
「俺、苺愛が話してるのを聞いて知った。」
だよねー、そーだよねー。
「ちなみにうちは、サンリオも好きなんだよね。」
「え?何それ?」
「え…知らないの?」
「うん。」
「めちゃくちゃ可愛いんだから。」
なんとも、偶然。あんなに性格の悪い奴が性格の良い人たちが好きだったとはね。