部活が終わって、うちは家に帰ったけど、すぐに塾に行くために家を出た。すると、たまたま時間が一緒だった、雨種もいた。うちは、親に色々言われたせいで少し顔色が悪かったのかな?うちは、全然気にもしていなかったことなんだけどね。塾でやるべきことを済まして、ついでに学校の宿題も終わらそうとしていた。すると、彼も終わったらしくって待合室に降りてきた。
「お前、もう終わったの?」
「…ん、まぁね。」
「ねぇ。なんかあった?」
え?なんでわかるの?
「えっ…別に何も。」
「…そっか。」
え、なんか察してるの?
「今なら誰もいないし、あるんだったら言えよ。相談ぐらい、俺得意だから。」
急に悪口を言うような、奴とは反対にガチで優しいじゃん。
「ていうか、なんでうちが何か悩んでると思ったの?」
「だって、今日の掃除時間もずっと下向いてたし、浮かない顔してるから、なんとなくそうかなーって。勘違いだったらごめん。」
え、怖すぎるやろ。
「んまぁ、そうだけど。人に話すようなことじゃないから…いいよ、別に気にしないで。」
「やっぱ、あるんか。俺じゃ、言えない?」
なんで、こんなに優しいの?
「いや、そういうことじゃなくて…誰にも言わないって決めてるの。今までにもいろんな人にこのこと言ったけど、誰も信じてくれなかったし、もうこれ以上貶されるのは嫌。だから言わない。それに相手を傷つける気はないからさ。」
この言葉を聞いた雨種は、しばらくの間、黙っていた。「お前、それでいいかもしれない。まぁそんなことないよな。でも、俺はお前が一人でずっと抱え込んでいくことはさせたくない。それに俺は、人の相談によって傷つかないから。共感は出来たとしても。だから、少しでもいいから、俺にも一緒に抱え込ませて欲しい。お前はいつも俺のためにいろんなサンリオや嵐のことを教えてくれるけど、でも、お前に対しては何もやってあげられてない。だから、せめて、どんなことでもいいから話して欲しい。」
え?こんな素敵なこと言う奴だったっけ?
「…うん。わかったよ…。」