あなたは運命の人

「エプロン可愛いね」

「ふぇ!?」

可愛いと思わず本音を溢すと、美優の顔が真っ赤になり変な声を出した。

「奥さんみたい」

反応が可愛いすぎてからかったら顔を逸らされた。
その反応に益々いじめたくなった。

「そ、そりゃあフリをしてますから!」

美優は料理を再開させ、スプーンで茹で卵を掬った。
味見をしようとしているのか口元に運ぼうとしている。

「それ、味見させて?」

美優の右手のスプーンを指差すとお願いした。
だが美優はキョトンとしている。

「各務にもやってたじゃん」

ムスッと返すとおろおろと慌てる美優。

「や、やってたというより、勝手に諒ちゃんが食べたんです!」

「食べたい」

「でも、あの、その……きゃっ!」

戸惑う美優の右手ごと左手で掴むとスプーンをパクリ。