「如月は窓側の1番後ろな」


「うっす」



そう言って、ゆっくりと私に近づいてくる。


私はハッとして急いでノートを取り出す。



「よろしくお願いしゃっす」



そう言う如月君に、ペコッとお辞儀をしてノートを見せた。



『花園里菜(ハナゾノリナ)です。私は声を出せないので、話す時はこのノートに書いて話します。よろしくお願いします。』



驚くかな?なんて思って彼を見ると、眠たそうな目で文を読んで、『へぇ...』と言った。


まるで、興味が無いように。



「里菜...か」



ドキッ...


まさか名前で呼ばれるとは思っておらず、思わずドキッとしてしまう。



「うわぁ...二人が並ぶと美男美女...絵になるわぁ〜」



誰かがそんな事を言う。


誰のことだろう?


視線がこちらに向いてるような...。