「こちらの不手際だ。本当に申し訳ないことをした」
そしてヘンリーは申し訳なさそうな表情でだがどこか愉快そうにそう言った。
絶対にそんなこと思っていない。
そう思っていたのなら私が小屋から出られなかったあの数日間にちゃんとした形で謝罪に来たはずだ。
一応は謝りました、というヘンリーの抜かりない形だけの気持ちなど微塵もこもっていない謝罪にどんどんイライラが募る。
こっちはアンタたちの嫌がらせで死にかけたんだよ?
ふざけんなよ?
「咲良、魔界は怖いだろう?」
「…え?」
ヘンリーからの突然の問いかけに私は首を傾げる。
「学院の悪魔たちが異種族の咲良を排除したがったり、魔界の食べ物が咲良にとっては毒だったり…。留学を辞退したくなったのでは?」
「…」
なるほど。
笑顔のヘンリーの言葉から察するにヘンリーは私から留学を辞退したいと言わせたいらしい。



