「人間界に帰りたければ特級悪魔の兄弟たちと良好な関係を築け。それがお前が人間界に帰れる唯一の条件だ」
自称魔界の王、魔王である美しい悪魔はそう言って冷たく私に笑った。
「…」
この茶番はなんだ。
もう本当に帰ってもいいだろうか。
そう思ってもう一度辺りをキョロキョロと見てみるが変わらずここは訳のわからない謁見の間のような場所で帰れる気が全く起きない。
仮にこの自称魔王が言っていることが本当だとして、ここは私の家ではなく何と悪魔が住んでいる魔界で、人間界に帰りたければ特級悪魔の兄弟たちと良好な関係を築かなければならない、としたら。
ファ、ファンタジー…。



