「あの…助けてください!」
泥水を避けながら学院を出ると、すぐに気弱そうな女の子に声をかけられた。
…どうしたのだろう?
女の子はとても怯えており、先ほどから周囲をずっと気にしている。
「お、追われているんです!お願いです!助けてください!」
「…私は貴方を助けられる力を持っていません。学院に逃げ込むことをおすすめします」
私の腕を掴み必死に懇願する女の子に私は困ったように笑い学院を指さした。
学院はすぐ近くだ。私に助けを求められても勘が少しいいだけのただの人間では助けられるはずなどない。
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