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咲良が食堂を去り、バイト先へ戻った後。
ハワードの5兄弟たちだけはまだ自室には戻らず食堂に留まっていた。


「全くテオも困ったものだ。また人間の留学生を俺たちの所へ預けるとはな」


はぁ、とまずため息を漏らし、話し始めたのはヘンリーだ。
いつも完璧な彼だが、今の彼には少々疲れの色がある。


「一応あの人間の現状を共有するか。食事はご覧の通りだ。人間が好まないものを極力出して体力面、精神面を削っているつもりだがあれには一切効いていないようだ」

「それについてはこの前も言ったけどナイトメアでバイトを始めたからだろうな」


ヘンリーの言葉にダルそうにエドガーが答える。
するとそれを聞いていたギャレットが「羨ましすぎる。意味がわからない。許せない」と本当に恨めしそうに言った。

ギャレットは実はメイド喫茶ナイトメアの大ファンだった。