バーンっ!


「飯」


少しだけ暗い雰囲気になっているとバッカスが勢いよく扉を開いた。

いや、どんな登場の仕方ですか。

そんなバッカスの後ろから次々と兄弟たちが食堂へ入ってくる。


「あー!お腹空いた!ギャンブルの後は飯だー!」

「…無理、何か入れたい。ぶっ通しで本読みすぎた」

「今日はビタミンCとコラーゲンを多めに食べたいなぁ」


エドガー、ギャレット、クラウス、それぞれが違うテンションだ。

エドガーはアドレナリン全開!って感じだし、ギャレットは今にも倒れてしまいそうだし、クラウスは1人優雅だし。

バッカスに至ってはもう席について食堂の入り口を睨んでいた。早く飯を持って来い、という圧を感じる。

相変わらず全員個性とクセが強い。


「全員揃ったな?では食事を始めよう。今日は咲良も一緒に食べるぞ」


全員が着席したことを確認するとヘンリーはもういつも通りの胡散臭い笑顔でそう言った。


「は!?」

「え」

「嘘!?」

「…俺のご飯」


そんなヘンリーに兄弟全員は驚いた。

おい、バッカス。
「俺のご飯」って何?まさか私が夕ご飯食べるからその分自分の分がなくなるって言いたいのか?