副声音が聞こえてくるのだ。
「〝ご飯をくれる〟お前が好き」だと。
「食べ物よりもお前がいい。一緒にいたい。ダメか?」
「はいはい…て、ん?」
食べ物に私が勝った?
おや?これは実質告白を通り越してプロポーズですか?
「食べ物よりも私がいいの?」
「ああ」
「それで私を選んで一緒に居たい、と」
無表情に私を見つめ続けるバッカスの視線に私はたじたじなる。
冗談には聞こえない。
本気でそう思っている。
本当にプロポーズされた。
何てこった。
「…えっと、今だけなら?」
だか、きっとバッカスのことだ。
私が好きだと伝えたいだけて深い意味はないはずだ。
だから私は言葉の通り〝今〟一緒に居ることを恐る恐る約束してみた。



