***** 形だけの朝食後。 私は慣れた足取りで無駄に広い屋敷の廊下を小屋へ向かって歩いていた。 その道中。 バッカスが蹲っていた。 よく見る光景だ。 最初の頃の私なら驚いたがもう驚かない。 「バッカス?お腹空いたの?」 「…その声は咲良か。…動けないんだ」 「…その言い方誤解を招くからやめた方がいいよ」 蹲っているバッカスを呆れたように見つめながらも私は自身のポケットの中に手を入れる。 辛そうにしているバッカスだが、これも別に大したことではないので特に心配になることはない。