「ごめんごめん。おはよう、エドガー」


私はそんなエドガーの声を聞いて慌てて扉を開けた。

出会ったばかりのエドガーなら扉を壊す案件だ。あれから考えるとエドガーの態度は随分変わったものだ。


「おう、おはよ」


扉を開けるとこちらに笑いかけているエドガーが立っていた。
改めて見ると本当に美形だ。

ギャンブル狂ではなかったら最高なのに。


「今日はどうしたの?わざわざ迎えになんて来て」

「…俺はお前の世話係だろ?最後くらい仕事しようと思って」

「名前だけの世話係じゃん。いつ私の世話なんてしてくれたの?むしろ私が世話している立場じゃない?主に金銭面で」

「うぅ、金のことは言うな。また返すからよ…」


私に痛いところを突かれたエドガーは先程の笑顔を消し、しゅん、と肩を落とした。

全く信用のない〝返す〟だ。
返ってこないと思っていた方がいい。