立ってみて気がついたが他の兄弟たちはまだ寝ているようだった。
もちろん、ヘンリーと同じようにもう元の姿に戻っている。みんな裸だ。

…目のやり場に困る。


「咲良」

「ん?」

「俺がお前のものになるんじゃない。お前が俺から離れられないように契約をするんだ。わかっているな?」

「…うん」


不敵に笑うヘンリーに私はとりあえず頷く。
ヘンリーらしい契約理由だ。


「我が名は特級悪魔ヘンリー・ハワード。今人間桐堂咲良と契約を結ぶ」


ヘンリーは私の返事を聞くと呪文を口にし始めた。
ヘンリーの呪文と共に毎度の如くヘンリーと私の足元に淡い紫色に光る魔法陣のようなものが現れる。


「契約の代償は俺の側にできるだけいること」


ヘンリーはそう言うと私の鎖骨の下辺りに牙を立てた。


「…っ」


もう6回目なのでわかっている展開ではあるが毎度この距離の近さや舌使いなどに恥ずかしくなる。

もちろんヘンリーはそんな私なんて気にも留めず、傷口から私の血を吸うように口づけをした。