「できる限り側にいるよ、ヘンリー」
「その言葉、忘れるなよ」
私からの返事を聞くとヘンリーは満足そうな声でそう言った。
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「…ん」
朝。いつもとは違う場所で目覚める。
「…ん?」
私は今自分が置かれている状況に身に覚えがなく首を傾げた。
談話室で幼い5兄弟たちと雑魚寝したのは覚えている。
だが今私の目の前に広がっているのは幼くない誰かの裸体だった。
しかも私はその裸体の誰かに引き寄せられて寝ていた。
裸の成人男性と寝た覚えはないのですが。
「起きたか。おはよう、咲良」
「…」
状況をあまり理解していない私の上からヘンリーの声が聞こえる。
その声で謎の裸体の持ち主がヘンリーだということがわかった。



