クラウスは勢いよくヘンリーの顔を両手で挟むと無理矢理自分の方へと向けさせた。
「ヘンリー、僕のことが好き?」
「…あ、ああ」
「僕は美しい?」
「ああ」
「そう…。じゃあ眠ろうか」
「ああ」
問いかけるクラウスに最初こそ歯切れの悪い返事をしていたヘンリーだったが、徐々にそれは無感情だがハッキリとした返事へと変わる。
「…」
そして最後には私の首を絞める右手から力が抜け、その場に力なく倒れた。
「…はっ、はぁっはぁっ!」
ヘンリーの手から解放されたことによって、私もその場に力なく膝をつく。
それと同時に私は今まで吸えなかった酸素を一生懸命取り込むように何度も何度も繰り返し息を吸い込んだ。
な、何が起きた!?



