そして煙の中から中学生くらいの美少年が現れた。
ん?
どちらさま?ヘンリーは?
美少年は何が起きたのか理解できていない様子でその場に立ち尽くしている。
もちろん美少年を含め、私、おそらくエドガー、クラウスも状況を理解できていないのでただただ黙っている。
「…?」
いーやちょっと待って。
目の前の美少年のビジュアルに既視感を覚える。
短すぎず長すぎない綺麗な丁寧にセットされた漆黒の黒髪に、切れ長の赤い瞳。
氷のような冷たさを感じる雰囲気。
極め付けは美少年が着ているサイズのあっていない服。
その服は先程までヘンリーが着ていたものだ。
そこまで気がついたらもう目の前にいる美少年が幼いヘンリーにしか見えなくなってしまった。



