ミアが魔王…テオだったということだって衝撃的で未だに受け入れきれていない。

それなのにそんなテオが私を好き、だと?


「…テ、テオ。私は…」


心底驚きながらも告白されたからには返事をしなければと私は何とか拒否の返事をしようとした。

私にとって目の前の彼はいい感情を持てない魔王で大好きな友だちだ。

異性としてどうこうって目でそもそも見ていない。


「咲良」


だが、私の返事は冷たく笑うテオに遮られてしまった。


「今は返事はいらないよ。僕が言いたくて言っただけだから。ただ僕が咲良のことを男として好きなんだって知っていてね」


ズルい。

美しく愛らしい笑顔を浮かべるテオに私の体温は一気に上昇した。
先程から心臓がうるさすぎる。


テオはきっと私に断られることがわかっているのだろう。
それをわかっていてのこれはズルすぎる。


今日私の魔界での唯一の女の子の友だちがまさか私を想うズルくて甘い男の子に変わるだなんて思いもしなかった。