「何で、魔王…さ、まが、こんな」
訳がわからなかった。
ミア=魔王だという事実だけは飲み込めたが本当にそれだけ。
驚きと今までの大好きだったミアが全て嘘だったことへの悲しみといろいろな感情がぐちゃぐちゃに混ざってうまく喋れない。
「…咲良がヘンリーたちから酷い目に遭うことは今までの留学生たちと予言で知っていた。だから次こそは無事ヘンリーたちと契約できるように僕は自分の姿を偽って咲良を陰ながら助けれるようにしていんだ」
「…」
申し訳なさそうにこちらを見つめる魔王に本当に彼は魔王なのかと違和感を覚える。
最初に見せた冷たい笑顔と見た目こそは魔王そのものだった。
だが、今見せている態度や喋り方は全くの別人にしか見えないほど私が知っている魔王とは違う。
そのせいで今目の前にいる魔王が性別の違うミアに見えて仕方がない。



