そして光の中から現れたのは薄紫色の髪が印象的なものすごく美しい少年、魔王だった。

半年以上前、5兄弟たちと契約をすることを強要させたあの魔王だ。
あれ以来一度も姿さえ見ていない存在のあの魔王が今まさに私の目の前にいる。


どういうこと?
ミアはどこに行ったの?
いや…まさか…


「…ミアなの?」


違うと否定して欲しい。

大好きな友だちが全ての元凶である魔王であるはずがない。
そうであって。


「そうだよ。ごめんね、咲良」


私の言葉を否定して、にっこりと笑う魔王の笑顔はミアそのもので。

魔王がミアだったのだと理解せざるを得なかった。