美しく愛らしい見た目であるミアのひどく冷たい笑顔。
ミアの大きな青色の瞳には一切の感情がない。


待って。
すごい既視感。


「…」


一度だけミアを初めて見た時誰かに似ていると思ったことはあった。
だが、そんな存在はいないとすぐにそれを私は否定した。

しかし今はミアとありえない人物が重なって見えてしまう。
絶対に違う。そもそも性別が違う。

ミアと魔王が重なるなんてありえない。


「…咲良、私…いや、僕はずっと咲良を騙していたんだ」

「…え」


パニックになっている私にミアはいつもとは違う口調でそういうとぱちんと指を鳴らした。

するとキラキラと細かい無数の光がミアの周りを囲み、ミアの姿がみるみる変わり始めた。