ミアにクラウスとのことをきちんと話そう。
悲しい顔も辛い想いもミアにはさせたくない。


「…」


どんな言葉でどんな風にクラウスとのことをミアに伝えようか。

クラウスとの関係をミアへどのように説明しようかと考えている時だった。


「…もう、てことは付き合っていたのは本当なんだ」


ミアは私の言葉なんて待たずに冷たい瞳で私を見つめた。


「…あ、まあ、うん。でも…」


それには事情が…。


「何も聞きたくない」


珍しい…いや初めて見たミアの怒っている姿。
私が何かを言おうとすることを許さないミアの圧が私にかかる。

相当怒っている。これはいけない。
何とかことの経緯を早くミアに説明しないと。


「…我慢の限界」

「え」


ふっ、と冷たく笑ったミアの声はいつも聞いているような明るく可愛らしい声ではない。

低い男の人のような声。

冷たいその声に私は聞き覚えがあった。