「咲良の気持ち嬉しかったよ。1週間とか言わずにさ、僕たちこれからも付き合わない?」
「丁重にお断りいたします」
甘いマスクで微笑むクラウスに丁寧に頭を下げる。
これ以上の苦労はたくさんだ。
「それより!あの子にちゃんと私が本命だって信じさせたよ!契約してよ!」
「えー。諦めさせるまでだったよね?」
「あの子一生諦めないと思うけど!?本命の座が空いていないって思わせるまでが限界!」
「じゃあ一生付き合お?」
「嫌だ!」
クスクスとどこか楽しそうなクラウスに嫌気がさす。
何を言っても望んだ答えが返ってこない。
さっきの「クラウスは私の望むものをくれる」発言は気の迷いだった!



