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それからのクラウスは本当にすごかった。
まさに私こそが〝本命〟であることを周知させるような言動や行動をどこででも完璧にやってみせた。
一日中どこへ行くにもクラウスと一緒だし、何をするにもきちんと甘々な行動や態度で私の心臓を的確に攻撃してくるし。
だが、心臓に悪いことも多かったが、クラウスは私に対しても完璧な彼氏だった。
私をよく見て助けが必要な場面では必ず手を差し伸べ、ちょっとした私の望みまで叶える。
まるで王子様のような完璧さに脱帽だ。
そんな日々が続いた3日目の夜。
「なぁ、咲良」
5兄弟と私、全員が揃う夕食時の食堂で、エドガーが機嫌が悪そうに、今日も食事に手をつけない私を見た。
一体何が不満でそんな顔を私に向けているのだろうか?



