「えー。もうちょっと一緒に寝ていようよ。あと咲良の顔が見たいなぁ」
「嫌。離して。無理だから」
だが、クラウスは私の願いなど聞き入れようとはせずむしろ後ろから絶対に離れられないように強く抱きしめてきた。
そんなクラウスの腕から離れようとするがもちろん離れさせてくれない。
寝ているクラウス相手でも無理だったのだ。
起きているクラウスが相手ならもっと無理な話だろう。
「何で?時間ならまだあるよ?」
「ない。一分一秒でも惜しい状況」
「…んー。わかったよ」
真剣に時間がないことをクラウスに訴えると、クラウスは不満そうにだが、やっと私を離してくれた。
よし!あとはあまり顔を見られないように洗面所へ移動!
クラウスに背を向けて私の小屋にあるベッドよりも何倍も広くふわふわのしかも天蓋付きベッドから体を起こす。



