*****
「…」
次の日の朝。
私は不本意だが、クラウスの腕の中で目を覚ました。
クラウスが起きる前に化粧をしなければ。
背中にクラウスを感じながらクラウスの腕の中から抜け出そうと体を動かす。
「…んー」
「…」
だが、しかし、私はクラウスの腕の中から抜け出せなかった。
自分の腕の中から抜け出そうとする私をクラウスが抜け出せないように後ろから抱きしめてきたからだ。
離せ!と声を大にして言いたいところだが、今クラウスに起きられると非常に困る。
スッピンだけはあまり見られたくない。
昨日の夜ある程度見られていたとしても。



