「そうか。咲良が我が家に来ることを聞いて人間界の料理について調べ、作ってもらった料理だったのだが、残念だ。ふるさとの味が恋しいだろう?」
残念そうに笑うヘンリーを見て心の中で叫ぶ。
一体人間界のどこの地域のふるさとの味なのだ!と。間違いなく日本ではない。
どこかの部族のふるさとの味だ!
「…そうだったんですね。恋しいですね、日本料理ですが」
ここはサラリと訂正しておこう。
笑顔のヘンリーにこちらも笑顔の私。
2人とも笑顔だが流れる空気はあまりよくない。
間違いなくヘンリーも人間である私が嫌いなのだ。
こんな兄弟と一体どうやって良好な関係を築けというのだ。
私たちのやり取りを聞きながらエドガーは大笑いし、ギャレット、クラウスはクスクスと笑っていた。
バッカスは特に気にすることなくご飯を平らげているようだった。
この約半日でわかったことがある。
この兄弟は癖が強すぎる上に間違いなく性格が歪んでいる!



