「約束だよ?特にヘンリー辺りには勘付かれるのもなしだから」

「…はあ」


真剣な様子のクラウスを見てますます疑問が湧く。

書庫内匍匐前進ってそこまで黙って欲しいことなのだろうか?
カッコ悪い姿を誰かに想像されるのは嫌だとか?

しかし今のクラウスからは匍匐前進に対する恥があるようには見えない。
何かを隠したがっているように見える。


本人も嫌がっているし、無理して聞くことはないか。

今見たものをさっさと忘れようと私は本棚に再び視線を戻した。