驚き通り越して頭が真っ白になった。

今何が起きた。


「あらあら〜。ミアったら大胆ねぇ」

「ふふ、咲良が可愛かったからつい。本当は唇に直接したかったんだけどね」


固まっている私なんてよそにユリアさんとミアは楽しそうにお話をしている。


「て、咲良、生きてる?」


私の様子がおかしいことに先に気づいたのはユリアさんだった。
未だに動けずにいる私の目の前で大きな手をブンブン振っている。


「…お姫様を起こすのはやっぱり唇への口づけかな?」

「おはようございます。起きてます。元気です。チャオ」


ミアに今度はゆっくり迫られて私は慌てて意識を回復させた。

心の中で心の中のもう1人の私、リトル咲良の頬を往復ビンタしたところだ。