そう言ってやりたかったが全てをうまく語り、説明できる労力も自信もないので適当に笑った。


「いいか。契約者が契約した悪魔を呼ぶ時は絶対に呪文が必要だ。その呪文は咲良なら、『我が名は特級悪魔エドガーと契約を結ぶ者、咲良。我とエドガーの契約の元、ここにエドガーを召喚する。出でよ!特級悪魔!エドガー!』だ」

「ええー。厨二病。絶対呼べない」


恥ずかしすぎる。
それを声高らかに叫ぶなんて。


真剣に説明してくれたエドガーには悪いが若干引きながら私はエドガーを見た。


「いーや!呼べよ!せっかく契約したんだぞ!おいちょっと今から召喚の練習だ!」

「えー!嫌だー!絶対嫌ー!24歳なんだよ私!14歳じゃないんだよ!」

「うるせぇ!俺と契約してんだぞ!」

「勝手に契約したのはエドガーじゃん!」


エドガーと言い合いながら薄暗い街を2人でまた歩き始める。

この出来事で少しだけエドガーと距離が縮まった気がした。

人間界へ一歩近づけたのかもしれない。