「失礼するぞ、テオ」
大きな扉が開かれ、そこに立っていた美青年が自称魔王に淡々と声をかける。
短すぎず長すぎない綺麗な丁寧にセットされた漆黒の黒髪に、切れ長の赤い瞳。
彼も自称魔王に負けず劣らずとても美しいがこちらを黙って見つめる姿は氷のように冷たい。
年齢は私と同じくらいかその落ち着いた雰囲気から年上にも見える。
何だこの世界。
イケメンであることとカラフルお目目であることがここに住む条件なのか?
「待っていたよ、ヘンリー。紹介するよ、彼女が今回の学院の留学生だ」
「…?」
おっと?
美しいが冷たい印象の男…自称魔王からヘンリーと呼ばれた男に声をかけられた瞬間、先程まで冷たい表情しか浮かべていなかった自称魔王が柔らかく笑いわかりやすく二度見をしてしまう。
え?二重人格?
人変わりすぎじゃない?



