料理人サラバンと飛行士の女性マリオンは夢の世界、いずことも知れぬ大通りを歩いていた。

大通りを無数のエイリアンや地球人が歩く。カタツムリのようなマシンが大通りを邁進している。周囲は巨大なビル街となっている。

「トマス·モア駅ね」

マリオンが看板を眺めながらいう。

続ける。

「するとわれわれはトマス·モアの時代、16世紀イングランド、夢の地層に来ている訳ね」

ふたりは歩きだした。

「未来や過去の時代にこの夢の大通りは続くのでしょう。未来にある計算機械がこの夢の大通りを作り出したのでしょうね」

遥か彼方の未来世界に暮らすマリオンにとり夢の地層に紛れ込むのははじめてとはいえ、解釈が出来ぬことではないのだ。