【拝啓、赤毛のアン】

あたしはセブン。銀の髪に青い瞳。白い肌をした女性。レイチェルお嬢さまの従僕。

英国の野原へ果物のスグリ摘み。

涼しい空気が漂います。トマトハウスが遥かに遠景に浮かびます。

あたしはスグリを摘み終えると、図書室に戻ります。ほの暗い図書室が最低限の舞台装置となり、室内に保管された鉱石の標本、たとえば黒雲母、翡翠、石英などがぼんやりとした白光となり最低限の舞台装置に浮かび上がります。

湖水地方へと逍遙したときのことを思い出します。モンゴメリーの「赤毛のアン」をその旅行の途上で読んだのでした。最近はあたしは再び赤毛のアンを読みたいと感じています。物語がもつ静かな閑静を求めているのです。