【鉱石の大地】

レイチェルお嬢さまとあたしセブンはベランダでポーカーをいたしました。

「ね。レイ·ブラッドベリの短編集も良かったわね」
「O·ヘンリーもなかなかでしたよ」
「スティーヴンスンの宝島も良かったわね。海賊の謎が知りたくなったわ」
「一体なぜ西洋世界では海賊や海賊船が暴れまわっていたのでしょうね」

レイチェルお嬢さまは少し思案。

「貿易と関係をしているんじゃないかしら?」
海賊ははるか昔から世界にいたらしい。古代エジプトの時代には既に海賊の記載があるようだ。
現在に残る有名なイメージは、大航海時代にカリブ海を根城にして航行する商船を襲った海賊たちだ。ドクロの旗を掲げ、富と武勇を好んだ海賊たち。

大航海時代ののち海賊の脅威が過ぎ去る19世紀ごろから小説に少しずつ海賊の姿が表現されるようになる。

「エドガー·アラン·ポーの黄金虫ね」
「はい。スティーヴンスンの宝島も19世紀に書かれた小説ですから」