[レイチェルの話]

あたしはレイチェル。
怪談小説を書いているところ。

科学万能に見える世の中でも怪異や幽霊などがあるものです。

あたしは館の書斎で船乗りにまつわる怪異嘽を書いています。

「魚が見たこともない魚だったの。両面に顔が付いていたの。顔からは触手が出ていたわ。目は四対あったかしら。

見たこともない魚だったわ」

形容できない恐怖を記すのは鍛練となります。あるいは科学は形容できない恐怖をより深めていくのかもしれません。

そのとき時報(ベル)が鳴り響き驚いたあたしは少し冷静になりました。