「ひみつのへや」

あたしはセブン。
自室に引きこもり本を読んでいます。

書きかけの原稿用紙が机にありました。

と、そこにレイチェルお嬢さまがあたしの部屋をノック。用事があるらしいとの事。

「ひみつのへや?」

レイチェルお嬢さまが言いました。

「第ゼロ号室の掃除をしないとね」

あたしたちは農園に向かうと、物置小屋を眺めました。農機具を納める小屋のはずです。

がちゃりと鍵が開かれます。レイチェルさまが懐中電灯を付けました。

「真っ暗闇ね」
「窓を開けませんと」
「幽霊を起こさないようにしないとね」

窓を開けました。ぼんやりと浮かぶ、物置小屋の床は白亜色の美しい羊歯や苔に覆われていました。ほの暗闇のなかのわずかな光からも物置小屋を占拠した植物の様子が伺えます。