あたしはセブン。レイチェルお嬢さまの従僕にしてメイドのセブンです。

さて、トマトハウスの管理をせねばなりません。片付けや掃除など。

農園では農作物の作付けが進められています。

あたしは昔読んだティーンズラブを思い出します。そのストーリーから受けた感興を断片的でもメモとして残せば良かった、とそう感じます。

読書は楽しみでした。職務を終えたあたしは図書室から幾つかの本、それは遥か昔に記された、トマトハウスの先人が残した日記などでもあったのですけれど、それを数冊借りると陽光が照る白亜室で本を読み返します。

本を読むのは愉悦でした。量子力学の本を読んで頭が不可思議な気持ちに陥ったりティーンズラブを読んで、胸を甘くときめかせたり。

図書室はあたしに与えられた閑暇のほぼ全てでした。図書室の内部の蔵書を読み返すのは一生かかり、本の感興の幾つかを記載するのも一生かかるのです。