あの冬の陽炎。

あたしはセブンです。
英国のメイド。

CDでクラシック音楽を流しています。
レイチェルお嬢さまはリビングのホームシアター施設に向かわれました。

あたしは自室でブラームスを聴いています。

少女。
「冬の陽炎には何があるの」

ロボットが答えます。
「たぶん凍てついた惑星さ。燃料船が輸送を担うような」

少女が尋ねました。
「未来はどこにあるの?」

あたしは読んでいたペーパーバックをぱたんと仕舞います。

音楽が流れています。

あたしは死をあじわったのです。