あたしは英国のメイド、セブンです。

あたしとレイチェルお嬢さまはテレビ番組でオペラを観ます。メトロポリタン歌劇場。BDプレーヤー。

「ねえ、セブン。
セブンは道化師をどう思う」
「道化師ですか」
「そう。
あたしがむかし読んでいた独乙の小説にリバルト·コレッロという人物がいたの。
あたしは彼を道化師と呼んでいたわ」

僅かな沈黙でした。

「オペラで、道化師を観たのがあたしが再び筆をとったきっかけよ」

あたしはオペラを鑑賞しました。
テレビに映る舞台はあたかも心の変化を辿るようでした。