「つーか、」 宵くんの手が伸びてきて、ポン、とわたしの頭に触れた。 髪の毛を崩さないように優しく撫でるのが宵くん流だ。 この手は、彼の手のひらは、今まで何人の女の子の頭を撫でてきたんだろう。考えて、ちょっとだけ胸が傷んだ。 「仁乃にそういうのまだ早いから」 あーあ、でたでた。 宵くんの必殺 : 『仁乃にそういうのまだ早いから』。