「……仁乃?」
宵くんの声にハッとする。
「腕、痛いよ」と小さく言われ、自分が宵くんの腕を強く握りしめていたことに気づいた。
「ご、ごめんなさい」
「……、」
慌てて手を離す。
面倒臭い女は嫌われるじゃん、何やってるんだわたしは。
宵くんの今日の態度でなんとなく察した。
わたしは宵くんの彼女でも「せふれ」でも無い。
ただの、「おっぱい触らせてくれる幼なじみ」だ。
サイテーだって思うけど仕方ない。
思い込み、勘違い、妄想癖。
ええ、最悪だ。宵くんが嫌いそうなことばかりやってるじゃないか。
もう、消えてなくなりたい。



