薄手の部屋着で深夜の街に出た今日のこと。
煙くんは、ベンチでタバコを吸っていた。ザッザッと砂を蹴り、無意識のまま、わたしは彼に近づいていたのだ。
『……なに、あんた』
煙くんの、不審者を見るような瞳が印象的だった。
『や、えっと……不良JKです』
『はあ?』
『この時間に人に出会えたことに感動してしまって、……その、わたしいつも夜眠れなくて、それで』
『散歩してたん』
『そ、です』
『ふうん』
深夜テンション という言葉の意味を、その時初めて身をもって理解したような気もする。
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